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奥歯を噛みしめる 詩がうまれるとき キム・ソヨン 姜信子監訳 奥歯翻訳委員会訳
¥2,420
心の傷もわかりあえなさも、 すべてを詩にしたとき、母を愛せるようになった——。 痛みの声を聴く詩人が、母、父、心の傷、そして回復までの日々を語る。 奥歯を噛みしめて耐えること、奥歯を噛みしめて愛すること。 何もできなかったあのころ。それは、詩のうまれゆく時間であった。 生きることそれ自体が、詩になる。 それは特別なことではなく、 あなたの人生もまた詩なのだ。 寒さに震える心をそっと包み込む、かぎりなくあたたかな30篇のエッセイ。 「日本の読者へ」と、三角みづ紀(詩人)による応答エッセイを付す。 著者について キム・ソヨン 詩人。詩集に『数学者の朝』(クオン、2023)、『極まる』、『光たちの疲れが夜を引き寄せる』、『涙という骨』『 iへ』ほか。エッセイ集に『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(クオン、2021、第8回日本翻訳大賞)、『心の辞典』ほか。露雀洪思容文学賞、現代文学賞、李陸史詩文学賞、現代詩作品賞などを受賞。 訳者について 姜信子(きょう・のぶこ/カン・シンジャ) 作家。横浜生まれ。主な著書に『語りと祈り』、『はじまれ、ふたたび いのちの歌をめぐる旅』、『現代説経集』、『声 千年先に届くほどに』、『棄郷ノート』、山内明美との共著『忘却の野に春を想う』ほか多数。編書に、谺雄二『死ぬふりだけでやめとけや 谺雄二詩文集』、『金石範評論集Ⅰ 文学・言語論』、『金石範評論集Ⅱ 思想・歴史論』。訳書に、『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(クオン、第8回日本翻訳大賞)、李清俊『あなたたちの天国』、ホ・ヨンソン『海女たち』(共訳)ほか。 奥歯翻訳委員会 李和静、佐藤里愛、申樹浩、田畑智子、永妻由香里、バーチ美和、ほとりさよ、松原佳澄 『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(クオン)で第8回日本翻訳大賞を受賞。 目次 日本の読者へ はじめに 1 母を終えた母 2 口があるということ 慶州市千軍洞の敵産家屋 振り返らせる 歩いてそこへ行く 少し違うこと 懐中電灯を照らしながら歩いた夜 場所愛 topophilia 間隙の卑しさの中で 祈りをしばしやめること 私を煩わせる「無」 パンと彼女 失敗がきらめく 「積ん読」と「積ん読の対義語」 無能の人 あらゆる者の視点 3 儚い喜び 4 「途方もなさ」について じたばたのつぎのステップ 音なき岩 皮膚を剥がす 奥歯を噛みしめる わたしが詩人なら 楯突く時間 得る 二〇三〇年一月一日 火曜日 晴れ 明日は何をしようか 木の箸と木彫りの人形 平和であれ 5 二箱の手紙 忘れないために、手放すために 三角みづ紀 監訳者あとがき たとえ奥歯はすりへろうとも
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ラクダに乗って シン・ギョンニム著 吉川凪訳
¥2,420
「新しい韓国の文学」シリーズ第4作としてお届けするのは、韓国の国民的詩人といわれるシン・ギョンニムの詩選集『ラクダに乗って』。 ラクダに乗って行こう あの世へは/ 星と月と太陽と/砂しか見たことのないラクダに乗って。 ―「ラクダ」より 40年に及ぶ全詩業から選りすぐりの69篇を収録した、画期的な一冊となっています。 韓国民衆の暮らしを見つめ、それをすぐれた詩作品へと昇華させた出世作『農舞』の他、厳選した詩やエッセイ、訳者による詩人解説を収録。 韓国最大の詩人の詩業を一望できる内容となっています。
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長崎パパ ク・ヒョソ著 尹英淑訳
¥2,420
「新しい韓国文学シリーズ」第3作としてお届けするのは、現代韓国を代表する作家・具孝書(ク・ヒョソ)の、長崎を舞台にした絆と新しい共同体の物語「長崎パパ」。 「せっかく人間として生まれてきたのに、日本人とか朝鮮人とかだけで終わるってのは寂しいじゃない。それは、生まれながらに決まってしまうスタートラインにすぎないだけで、辿り着くべきゴールではないでしょう?」 それぞれが背負った悩みや痛みを分かち合い、支え合いながら、彼らなりの答えを求め続ける「ネクストドア」の人たち。そこに生まれる絆と新しい共同体の物語。現代韓国を代表する作家・具孝書(ク・ヒョソ)の傑作長編小説。
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楽器たちの図書館 キム・ジュンヒョク著 波田野節子訳
¥2,420
「新しい韓国文学シリーズ」第2作としてお届けするのは、若手作家キム・ジュンヒョクの短編集、言葉と音があふれだす8つの物語「楽器たちの図書館」。 「この短編集は、僕からみなさんへ贈る〈録音テープ〉です」 音の世界に魅せられて「楽器図書館プロジェクト」をはじめる表題作「楽器たちの図書館」をはじめ、ピアノ、CD、ラップ、DJなどさまざまな音が聴こえてくる短編小説8編を収録した、韓国の人気新鋭作家、キム・ジュンヒョクの短編集。 奇抜な想像力とユーモアあふれる作品で、韓国文学界でも独自の存在感を放つ作家、キム・ジュンヒョクの、これまでの韓国文学とはひと味もふた味もちがう、新しい感覚のポップな小説世界。
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菜食主義者 ハン・ガン著 きむ・ふな訳 CUON
¥2,420
「新しい韓国文学シリーズ」第1作としてお届けするのは、韓国で最も権威ある文学賞といわれている李箱(イ・サン)文学賞を受賞した女性作家、ハン・ガンの『菜食主義者』。韓国国内では、「これまでハン・ガンが一貫して描いてきた欲望、死、存在論などの問題が、この作品に凝縮され、見事に開花した」と高い評価を得た、ハン・ガンの代表作です。 ごく平凡な女だったはずの妻・ヨンヘが、ある日突然、肉食を拒否し、日に日にやせ細っていく姿を見つめる夫(「菜食主義者」)、妻の妹・ヨンヘを芸術的・性的対象として狂おしいほど求め、あるイメージの虜となってゆく姉の夫(「蒙古斑」)、変わり果てた妹、家を去った夫、幼い息子……脆くも崩れ始めた日常の中で、もがきながら進もうとする姉・インへ(「木の花火」)― 3人の目を通して語られる連作小説集。
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仕事の喜びと哀しみ 著者チャン・リュジン 訳者牧野美加 CUON
¥1,980
表題作「仕事の喜びと哀しみ」がチャンビ新人小説賞を受賞し、ネットに公開されるとたちまち読者の共感をよび40万ビューを記録。 2020年11月には韓国KBSでドラマ化もされています。 本書にはこのほか、ミレニアル世代の著者が同世代の人々を主人公に描いた、8篇を収録。
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小説版 韓国・フェミニズム・日本 河出書房新社
¥1,980
創刊以来86年ぶりの3刷となった「文藝」の特集「韓国・フェミニズム・日本」から日韓の書き手たちによる短編小説を集め、チョ・ナムジュの初邦訳「離婚の妖精」、松田青子の書き下ろしを加えた決定版。 創刊以来86年ぶりの3刷となった「文藝」2019年秋季号の特集単行本化第2弾。 ベストセラー『82年生まれ、キム・ジヨン』のチョ・ナムジュが贈る、ママ友同士の愛と連帯を描いた「離婚の妖精」のほか、松田青子待望の短編作、本邦初紹介となる韓国の覆面SF作家デュナの傑作短編を加えてパワーアップ! 日韓最前線、12人の作家たちによる夢の競演。 チョ・ナムジュ 著 松田青子 著 デュナ 著 西 加奈子 著 ハン・ガン 著 イ・ラン 著 小山田 浩子 著 高山 羽根子 著 深緑 野分 著 星野 智幸 著
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韓国映画100選 CUON
¥3,850
100年間の名画に映し出される日本統治時代、民主化、南北分断、フェミニズム。 現存する最古の作品から『パラサイト 半地下の家族』まで、 韓国映画の歴史を辿る決定書! 韓国映画の代表作を取り上げた本書は、韓国随一の映画専門家67名による評論集であり、自国を見つめる視点から切り込んだ深い洞察が記されています。 原書に掲載された101作品に加えて、日本語版では原書刊行後に製作された5作品(ポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』ほか)を新たに加えました。 映画はフィクションであると同時に、時代の記録でもあります。 例えば、『誤発弾』や『非武装地帯』『キルソドム』などに描かれる朝鮮戦争が庶民の生活に落とした影。ノンポリの大学生の恋愛を入口にした『馬鹿たちの行進』の背景に隠された軍事政権による検閲とのせめぎ合い。また、1970年代の『冬の女』、1980年代の『シバジ』、そして1990年代の『結婚物語』などには、女性の解放の歴史が映し出されています。そう、歴史を彩る映画の数々は、日韓関係や南北問題、民主化、フェミニズムなど、現代の韓国を紐解き、未来を考えるための貴重な資料でもあるのです。 その時代に作られた映画は、時を経てもなおリアルな迫力と驚きを秘めています。 「韓国映画100選」をガイドブックとして、古の韓国にタイムスリップするのはいかがでしょうか。 編者:韓国映像資料院(KOFA) 貴重な文化遺産である映像資料を国家が収集・復元する韓国で唯一の機構として、1974年に設立された。 国の映像文化遺産が最適な環境で保存・復元され、後代に永遠に伝えるための基盤の造成に全力を注いでいる。 多くの人々が映像文化を積極的に享受できるように映画館「シネマテーク KOFA」と映画博物館、映像図書館を運営。 デジタル映像資料の収集、デジタル技術を利用した復元、アナログ資料のデジタル化など、デジタルアーカイブ化作業も進めている。映画史研究および出版を通じて韓国映画研究と普及を推進する拠点となるべく、努力を続けている。 ◆韓国映像資料院「韓国映画100選」 https://eng.koreafilm.or.kr/kmdb/trivia/2014 訳者:桑畑優香 早稲田大学第一文学部卒業。延世大学語学堂・ソウル大学政治学科で学ぶ。 「ニュースステーション」ディレクターを経てフリーに。 ドラマ・映画のレビューを中心に『韓国語学習ジャーナルhana』『韓流旋風』『現代ビジネス』『デイリー新潮』『AERA』『Yahoo! ニュース 個人』などに寄稿・翻訳。 訳書に『韓国映画俳優辞典』(ダイヤモンド社・共訳)『韓国崩壊』(ランダムハウス講談社・共訳)、『韓国・ソルビママ式 子どもを英語好きにする秘密のメソッド』(小学館)、『今、何かを表そうとしている 10 人の日本と韓国の若手対談』(クオン)、『花ばぁば』(ころから)など。
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大人でなく30歳です 著者:ニナキム / 訳者:バーチ美和 サンマーク出版
¥1,430
「もっと完璧な大人になると思ってた」 韓国で共感相次ぐ、不完璧・肯定本! 「もっと完璧な大人になると思ってた」 「このままで大丈夫?」 今の自分に不安な人に贈る、 心が前向きになる等身大の 大人のリアル。 自分なりに、前向きに、 時々後ろを向いて生きていこう。 ☆「私だけじゃなかった!」「勇気をもらった!」 共感レビュー、続出中! ☆毎日にある「でこぼこ」をとらえた言葉とイラストに、 みんな完璧じゃない、不完璧でOKと 心が軽くなる人が相次いでいます。
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太れば世界が終わると思った キム・アンジェラ 著 高原美絵子 訳 西野明奈 訳 扶桑社
¥1,650
<鏡のなかのわたしとの戦争。終わりなき戦争> 17年におよぶ摂食障害と向き合い 自分の心を見つめ直した 韓国人女性の記録 美しい体って、誰が決めるの? 第一章 過食症を患う 虫になる/わたしはもともと、あばらちゃんだったんだから/ダイエットをやめられなかった/はじめての嘔吐/食欲という怪物/悪循環のループ/過食型拒食症/精神科での治療開始 第二章 摂食障害とともにやってくるもの 内向的であり、外省的/生まれつきの敏感さ/統制される生活/自己管理強迫/秩序への執着/痩せた体、もっと痩せた体/うつ病の洞窟のなかで/潔癖症のせいで/もう少しましな自分になりたかっただけ 第三章 美しい体って誰が決めるの 鏡のなかのわたし、写真のなかのわたし/オルセン姉妹とニコール・リッチー/映画やドラマのなかの摂食障害/摂食障害をラッピングするメディア/ヴィーナスとコルセット/「めちゃ痩せ」しなきゃ 第四章 わたしのなかで育つ恨みと痛み 母の最善/父の権威/わたしをダメにしてしまう/そんなに痛くない指/外見コンプレックスに陥る/生きてみたらわかってくること/家族になるための距離 第五章 両極端を経験して、自分なりのバランスを見つける 精神科治療の中断/わたしの話に耳を傾けてくれる人/シドニーに発つ/愚かな関係/失敗の記録/諦めて自由になる/しっかりとしていく生活/悪循環ではないが好循環でもない/新しい世界 【本書より】 もう一度鏡を見た。幼いころに映画で見た鏡のお化けはもういなかったけれど、代わりにほかのものがあった。わたしが決めた美の基準だ。それはわたしが鏡を見るたびにわたしの横に並んで立ち、わたしのことをせせら笑った。「でぶ」「その尻はなんなの」「二の腕の肉はどうするわけ?」「ぶさいく」基準はその時ごとに変わった。(中略)戦争がはじまった。鏡のなかのわたしとの戦争。終わりなき戦争。
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差別はたいてい悪意のない人がする 見えない排除に気づくための10章 キムジヘ 著 尹怡景 訳 大月書店
¥1,760
あらゆる差別はマジョリティには「見えない」。日常の中にありふれた 排除の芽に気づき、真の多様性と平等を考える思索エッセイ。 目次 プロローグ あなたには差別が見えますか? I 善良な差別主義者の誕生 1章 立ち位置が変われば風景も変わる 2章 私たちが立つ場所はひとつではない 3章 鳥には鳥かごが見えない II 差別はどうやって不可視化されるのか 4章 冗談を笑って済ませるべきではない理由 5章 差別に公正はあるのか? 6章 排除される人々 7章 「私の視界に入らないでほしい」 III 私たちは差別にどう向きあうか 8章 平等は変化への不安の先にある 9章 みんなのための平等 10章 差別禁止法について エピローグ わたしたち 訳者あとがき 解説 韓国における差別禁止の制度化とそのダイナミズム(金美珍)
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女の子だから、男の子だからをなくす本 ユン・ウンジュ著 イ・へジョン絵 ソ・ハンソル監修 すんみ訳 エトセトラブックス
¥2,020
性別の枠組みから自由になって これから必要なジェンダーの知識を得る 子どもと大人で読む絵本 性別による固定観念を吹き飛ばす、韓国発のジェンダー絵本! 「女の子はリーダーになれない」 「女の子は気を遣いましょう」「男の子は運動しなきゃ」「男の子は泣いてはいけない」などなど…子どもたちを縛る「ことば」がなぜいけないのか。具体的に解説し、そこから自由になるためにはどうしたらいいのか、カラフルで楽しいイラストとともに導きます。 韓国では小学生向けに刊行されロングセラーとなった一冊ですが(*日本語版は小学3年生〜ルビ対応)、未来のために大人も読むべき絵本です。ひとりひとりがみんな違うという前提を共有し、自分が目指す「素敵な人」になるために。 定価 2000円+税 判型 B5判・上製 頁数 60ページ(オールカラー) 装幀・本文デザイン 潟見陽(loneliness books) 発売 2021年3月28日 刷り 3刷 ISBN 978-4-909910-11-0
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韓国文学を旅する60章 波田野節子 編著 斎藤真理子 編著 きむ ふな 編著 明石書店
¥2,020
いまもっとも注目されている韓国文学。さまざまな土地にゆかりのある、古典から現代まで総勢60人の作家/作品を通して、読者を旅に誘う。韓国を愛するすべての人に向けた、豪華執筆陣による珠玉のエッセイ集。エリア・スタディーズ〈文学編〉
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