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わたしに無害なひと チェ・ウニョン著 古川綾子訳 亜紀書房

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【出版社の紹介より】

2018年〈小説家50人が選ぶ“今年の小説”〉に選出、
第51回韓国日報文学賞受賞作!


誰も傷つけたりしないと信じていた。
苦痛を与える人になりたくなかった。
……だけど、あの頃の私は、まだ何も分かっていなかった。

あのとき言葉にできなかった想いがさまざまにあふれ出る。
もし時間を戻せるなら、あの瞬間に……。

第8回若い作家賞受賞作「あの夏」を含む、7作品を収録。


韓国文学の〈新しい魅力〉チェ・ウニョン、待望の最新短編集。



【目次】
・日本の読者のみなさんへ

・あの夏
・六〇一、六〇二
・過ぎゆく夜
・砂の家
・告白
・差しのべる手
・アーチディにて

・あとがき
・訳者あとがき

【書評・メディア情報】
高知新聞(5月17日)/書評(江南亜美子氏・書評家)
福島民友(5月23日)/書評(江南亜美子氏・書評家)
南日本新聞(5月24日)/書評(江南亜美子氏・書評家)
中國新聞(5月24日)/書評(江南亜美子氏・書評家)
福井新聞(5月31日)/書評(江南亜美子氏・書評家)
NHKラジオ第一「マイあさ!」(7月5日)/訳者・古川綾子さん出演
東洋経済日報(7月7日)/紹介
週刊読書人(7月10日)/書評(吉良佳奈江氏・翻訳家、韓国語講師)
朝日新聞(7月11日)/書評(温又柔氏・小説家)
サイゾーウーマン(7月17日)/書評(保田夏子氏)
京都新聞(7月26日)/書評(江南亜美子氏・書評家)
図書新聞(8月1日号)/紹介(「本が好き!」コラボ企画)
クロワッサン(8月25日号)/「文学から栄養 よりすぐり読書日記」(瀧井朝世氏・ライター)
東洋経済日報(9月4日)/書評(金珉廷氏・韓国語講師)
韓流ぴあ(11月号)/紹介(「空前の韓国ブームを知る」)

【マール店主の感想】
ふと、「あの本、読みたいな」と思う時がある。
「読みたい!」と思って買う時は、たいてい何冊もまとめ買いするので、そのまま読まずに本棚に入っている本がある。チェ・ウニョンさんの本もそのうちのひとつだった。

昨日ふと、「読みたいな」と思って手に取った。やわらかい緑色の本。そして、1番最初に書いてある「日本の読者のみなさんへ」を読んで、私は泣きそうになってしまった。

ここに書くにあたり、胸に響いた部分を引用しようかと思ったけれど、どこからどこまで引用すればいいかわからなくなった。まるごと読んでほしい。そんな気持ちになった。

この本には7つの短編が入っている。どれもある一時期、いつも一緒に同じ時を過ごしたり、他の人とは共有できない話をしていたり、人生に深く関わった人。けれど今は一緒にいない人との物語だ。

長く生きれば生きるほど、今はもう会えない人、「あの頃」が増えていく。あの時わたしはどうすればよかったんだろう。どうして連絡を断ってしまったのか。疎遠になった人たち。過去の美しい記憶の中に混ざるざらついた、自分だけはごまかせない感情。

チェ・ウニョンさんはそういったものをすくいとって、物語にしている。チェ・ウニョンさんの文体なのか、翻訳者の古川さんのなせる技なのか、翻訳本の違和感なく、文がさらさらと流れていくが、その余韻は重い。

いろいろな人の視点がそのままに描かれていて、そのうちの誰か1人にだけ感情移入することができない。自分の中にみんないる。時の流れや今にフォーカスすることでごまかしているけれど、あの時置いてきたものたちは今の自分の中に全部ある。それを改めて思い起こす本になった。

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