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【新刊】いちご戦争 今日マチ子 河出書房新社

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〈新世代の叙情作家〉今日マチ子が描く、お菓子と女の子の幻想戦記。いちごミルク海峡決戦、諜報ずきんちゃん、マシュマロ処理班……。鮮烈に描かれる、オールカラー戦争ファンタジー!【出版社の内容紹介】
《今日マチ子さん受賞メッセージ》
※このメッセージは、2015年6月19日に行われた日本漫画家協会賞贈賞式に、
 今日マチ子さんが寄せた受賞の言葉です。
 式では、女優の青柳いづみさんによって代読されました。

こんにちは、今日マチ子です
この度は、わたしの「いちご戦争」に、
日本漫画家協会賞 カーツーン部門大賞をいただき
大変嬉しく思っております。
漫画でもなく、絵本と夢日記のあいだのようなこの作品は、どこにも置き場がないよ
うな気持ちになることもありました。
「カーツーン」という言葉に、いま、ようやくぴったりと居場所をみつけられたよう
な感じです。

戦争と少女を描くことを続けてきましたが、
わたしは、そもそも、戦争を知りません。
それなのに、なぜ描くのか、問い続けてきました。
たぶん、それは、もう言葉を持たない一人の少女のためなのではないかと思っていま
す。
代弁するのではなく、
生きている私たちが、戦争を自由に語らうこと、夢想することで
時間の底で黙りこくっていた死者が、
思わず言葉を発する瞬間が
おしゃべりに加わる瞬間が
やってくるのではないかと思うのです。

そうそう、いま、話しているのは
舞台俳優の青柳いづみさんです。今日マチ子の作品のモデルをつとめたり、
この夏、舞台化を果たした「cocoon」という作品の主人公を演じたりしています。
ここにいないわたし、というこの状況は
なんとなく、死者の気持ちに近いような気がしています。
華やかな受賞式を思い浮かべながら、地中に深く埋まっているような— 
でも
ともすると、賑やかさにつられて、青柳さんの口から飛び出していってしまいそうな。

かつて生きていた少女も、ここに生きる人も、これからやってくる少女も、
すべてを迎え入れることのできる、
漫画という空間に感謝しています。

中学の教室で、年老いた先生が、戦争の体験を語っていたことを思い出します。
あの空間。
耳を傾ける者はわずかで、
少女たちのおしゃべりが最後には先生を打ち負かし、戦争の話は終わってしまった。
残酷だと思います。でも、そんなものなのかもしれない。
あのおしゃべりのなかに、わたしは書くべきものを見つけたい。

彼女たちのさざめきのなか、
きょうの受賞の喜びを胸に、ひきつづき、漫画の可能性を追いかけていきたいと思い
ます。

(2015年6月19日 今日マチ子)

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